不動産データ

2024年大阪代表駅中古マンション価格

代表駅と注意点

大阪の代表駅として、和泉砂川、彩都西、放出、千里中央、北新地、大阪を選定した。価格帯が高価格帯から低価格帯まで満遍なくカバーできるように考慮した結果である。大阪と和泉砂川は、それぞれ最上位と最下位という理由で選んだ。それ以外は、都心部から郊外にかけて価格が下がっていくように駅を選んだ。

下の表では、駅距離として0分、5分、10分の場合を、築年数として0年から40年まで5年刻みで示した推定価格を掲載した。これらは、すべての駅において実際に存在する組み合わせではなく、駅によっては存在している中古マンションの築年数や駅距離に偏りがある場合もある。そのため、データを補間して推定した価格であることを了承してもらいたい。

また、推定価格には注意点がある。使用したデータにはある程度のセレクションバイアスが存在する。例えば、駅徒歩距離が短いマンションほど、タワーマンションなど設備が充実した高価格帯マンションである傾向があるため、駅距離による価格差は本来の駅距離だけによる価格差より過大に評価されている可能性がある。

駅距離の価値

駅距離の価値の計算方法に関しては詳しくはこちらの記事で解説している。

和泉砂川

築年数\駅距離0510
078万62万65万
575万58万59万
1069万54万52万
1562万49万47万
2055万44万42万
2548万39万36万
3042万33万31万
3536万28万26万
4032万23万20万

築年数0年駅距離0分の3LDK20坪が1560万円なので、現在の坪当たりの建築費では新しいマンションは駅前であっても採算が取れないことが分かる。このように、昔は新築の採算が取れたため建設されたが、現在は採算が合わない駅や立地が大阪でも多く存在する。

大きな特徴として、駅距離が5分を超える場合の駅距離による坪単価の差がかなり小さいという点が挙げられる。駅距離0分と5分の差では、駅距離1分あたりの坪単価の差は3万円から2万円であり、駅距離の価値も同程度と捉えてよい。

築年数20年以降を見てみると、一年あたり坪1万円程度の下落である。これはかなり小さい値であり、すでに建物価値の大部分が減価した後の状況であると理解できる。

彩都西

築年数\駅距離0510
0202万160万150万
5181万144万133万
10160万129万118万
15141万116万106万
20123万103万95万
25107万91万84万
3093万80万75万
3581万70万65万
4072万61万56万

築年数0年駅距離0分の3LDK20坪が4040万円である。この駅は現在でも新築物件の採算が合い、新しいマンションが供給されている。

駅距離の価値に関しては、和泉砂川と同様に5分より離れると駅距離の価値が小さくなる。駅距離0分から5分までは、坪単価差が8万円から2万円程度となり、駅距離の価値はやや大きい。

築年数による価格変化では、新築物件は年4万円程度の坪単価下落が見られるが、築年数が経過するにつれて下落速度が緩やかになる。

放出

築年数\駅距離0510
0344万272万245万
5301万241万215万
10262万214万191万
15228万190万171万
20197万169万153万
25171万150万138万
30149万132万123万
35131万117万110万
40116万103万97万

築年数0年駅距離0分の3LDK20坪は6880万円であるが、駅距離10分では4900万円まで下がる。

駅距離の価値に関して、和泉砂川や彩都西との違いは、駅距離5分以降でも一定の価値が維持される点である。ただし、駅距離0分と5分の差に比べると、5分と10分の差は小さい。駅距離1分あたりの坪単価差は最大で14万円程度であり、築年数の経過とともに急速に縮小する。これは建築費高騰による新築価格の上昇が背景にあるだろう。

築年数の影響としては、新築直後急激に価値を低下させそれが築年数を経るごとに緩やかになるという特徴をより価格帯の下の駅と共有している。最近の建築費の高騰もあって、築15年までの新築プレミアムが大きいことがわかる。

千里中央

築年数\駅距離0510
0469万372万327万
5406万327万287万
10351万289万254万
15303万256万228万
20262万227万205万
25227万201万184万
30198万178万166万
35174万159万150万
40155万141万135万

千里中央では築年数0年駅距離0分の3LDK20坪物件が9380万円もする。多くの人が住めるマンションとしては駅距離5分の7440万円の方を考えた方がいいかもしれない。

千里中央の価格推計から分かることとして、駅距離の価値は東京と比べて大阪では5分以降の価値が半分程度に下がる。駅距離5分から10分の間であれば、駅距離1分が新築10万が築年数を経るにしたがって2万円くらいまで下がっていく。

築年数による価格下落は放出と比べてより長い0年から25年程度まで続き、その後は緩やかになる。

北新地

築年数\駅距離0510
0696万551万474万
5594万481万414万
10509万422万367万
15437万372万328万
20377万329万295万
25326万292万267万
30284万260万243万
35250万233万221万
40223万210万202万

北新地ともなればもう大阪の中心部である。新築物件は3LDK20坪で軒並み1億を超えることが分かる。築年数0年駅距離0分で、1億3920万円とかなりの金額である。

駅距離の価値は、新築は駅距離1分で坪単価15万を超えるが、築20年では坪単価4万くらいと急激に低下している。

新築から築年数30年くらいまで年8万円から12万円くらいのペースで価値が下落していくことが分かる。

大阪

築年数\駅距離0510
01327万1053万876万
51116万908万763万
10944万791万675万
15804万694万603万
20689万613万545万
25595万545万496万
30519万487万455万
35459万440万420万
40411万401万391万

大阪の駅距離0分の物件というのは現実的ではない。5分から10分の物件に焦点を当てたい。駅距離5分の新築3LDK20坪で2億1060万円、駅距離10分では1億7520万円となる。

駅距離1分の坪単価差は、新築で30万円を超えるものが築年数を経るにしたがって急激に低下していくことが分かる。

新築から築年数1年あたり坪20万くらい坪単価が低下し、築25年あたりで下落幅が坪10万に低下する様子が伺える。

まとめ

ここでは全体の傾向と東京の代表駅の場合との比較を行っていく(東京の代表駅の推定はこちらの記事にある)。

価格帯に関しては、大阪は東京と比べて全体として低めである。大阪では、中心部から15分くらいの駅でも駅距離10分築10年の物件であれば十分マンションを購入可能である。

駅距離と築年数の傾向としては、東京の代表駅の価格推定と同じような結果となった。駅距離の価値は、価格に依存し高価格帯ほど高くマンション価格が低くなるにしたがって駅距離1分の価値も下がっていく。築年数に関しても、新築プレミアムが大阪でも大きく、築年数が浅い内に大きく下落しその後価格の低下が緩やかになる様子が見て取れる。

東京と大阪の違いとしては、大阪では駅から遠い立地での駅距離の価値の低下が東京よりも大きいことが上げられる。やはり、大阪では価格帯が安いこともあってより駅に違いマンションが好まれるのだろうか。

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